FIU・JAPAN・GAZETTE 1996年3月31日
▽連絡先変更のお知らせ
大榎君の引越しに伴い、FIUの連絡先が移転しました。お手もとの住所録等の書き換えをお願いいたします。また、e-mail;oenoki@ st.rim.or.jp も、どうぞご利用ください。
▼前回の会合についての簡単な報告
POLITICAL CORRECTNISS をテーマとしたレクチャーの準備は、担当者多忙のため(引越し、新宿西口のホームレス問題へのコミット、就職活動など)ほとんど進まず、何人かの方に声を掛けたところまでで、内容を詰める段階にはまだ入っていない状態です。次回の会合で、また報告いたします。
その外に、2つの企画案が話題に上っています。1つは、2月まで大阪の国立国際美術館で開かれていた『ドイツ現代美術展―ヨーゼフ・ボイスとその弟子たち』のレポート。2つめは、優れた仕事を残しながら、次第に現代美術の領域から離れていった作家たちを取り上げるレクチャー・シンポジウム『現代美術を降りた作家たち』(仮題)です。
最初の『ドイツ...』は、副題の通り、ボイスとゲルハルト・リヒター、ジグマー・ポルケなど、ボイス・シューラーと呼ばれる作家たちの作品を集めた展覧会です。スライドを使ったレポートになりますが、この展覧会がそれほどおもしろいものでもなかったという話もあり、実施するのかどうか、次回の会合で決めたいと思います。
2つめの『現代美術を降りた...』は、赤瀬川原平さんをその代表とすると言ったら、失礼かもしれませんが、針生さんによれば、赤瀬川さんの外にも、今の美術館の学芸員、美術批評家が知らないような「美術を降りた」作家がいるということです。現代美術という限定された領域の中での競争から、ペナルティを払ったか払わなかったのかは別として、降りた作家たちを取り上げることによって、降りたと言っても、近代資本主義の中での差異化の競争からは逃れられていないのでしょうが、美術という施設(Anstalt )の境界を伺い知ることができるのではないかと思います。これについても引き続き検討していくことにしましょう。
いつも短い文章となって、会合の参加者、特に発言者には申しわけなく思うのですが、以上、前回会合の報告とさせていただきます。
参加者:新井、伊藤、大榎、黒田、針生、福田、福士、守谷、八鍬(敬称略)
▲会計報告
プロ野球ももうじき始まりますが、財政面は、開幕ダッシュぶっちぎりといった感じで、9200円の黒字です。カンパをくださった境博正さん、本当にありがとうございました。
浄財は今後予定されている企画の準備等に使わせていただく予定でいます。
収入
前回繰り越し 5,740円
参加費 9,000円
カンパ 5,000円
計 19,740円
支出
会場費 1,900円
通信費 6,640円
コピー代 1,710円
封筒代 290円
計 10,540円
△New Age of ZanzibART 3 young artist from Tanzania
荒真こと、荒井真一さんが、青年海外協力隊員としてタンザニアのザンジバルで指導した20代のアーティスト、ハシム・アブディさんが「第3回さっぽろ国際現代版画ビエンナーレ展」で、準大賞を受賞(大賞は該当作なし)、授賞式のために来日し、東京では、外の2人の若い作家とともにその作品を紹介する展覧会が、2つのギャラリーで始まっています。協力隊派遣の前には、ザンジバルの版画の父と呼ばれるようになるかもしれないなどと、冗談半分に言っていたのですが、この受賞は、その作家の資質と創造性に因る一方で、まさに荒井さんの指導の成果であり、称賛されるべきでしょう。スケジュールは、ギャラリートークも含め、下記の通り。3つの会場の作品は重複しません。作品は、5000円程度で販売する予定だと聞いています。もし良いものがあれば、買ってみてください。買い得ですし、ザンジブ・アートとこの展覧会企画にとって大きな援助となるはずですから。
Part 1:ギャラリー・トモス(中央区日本橋本町1-3-1 渡辺ビルB1 Tel./Fax. 03-3271-6693 )
3月25日(月)~4月3日(水)午前11時~午後6時30分/日曜休廊。最終日は5時まで/30日(土)午後2時よりギャラリートーク「タンザニア・アートの現在」
Part 2:ギャラリー21+葉ANNEX(中央区銀座3-4-17チェリービル1F Tel./Fax. 03-3567-2816 )
3月25日(月)~3月30日(土)午前11時30分~午後7時/最終日は5時まで
Part 3:松明堂ホール(小平市鷹の台44-9 松明堂書店B1 Tel. 0423-41-1455/Fax. 0423-41-9643 )
4月6日(土)~4月17日(水)午前11時~午後7時/14日(日)午後3時よりギャラリートーク「ザンジバルの妖怪Shetaniと私」
◇NIPAF'96
前回のガゼットでお知らせできなかったのが非常に残念だったのですが、2月29日から3月2日まで東京で、3月5日から7日までは長野で、マーサ・ウィルソン、チャン・チェレンほか、14ヵ国、16名・組のアーティストを集め、第3回日本国際パフォーマンス・アート・フェスティバル(NIPAF'96)が開かれました。私自身は1日しか見ることができなかったのですが、パフォーマンスという表現形式の特質と、何よりも霜田誠二さんのディレクションの秀逸さによって、この場合にも霜田さんを含むアーティスト、スタッフそれぞれの才能と奮闘がその基盤となっているのはもちろんのことですが、現在の人間と世界の姿をそこに呼び起こすことに成功しています。運営には、さまざまな困難が付きまといますが、来年には、第4回めのNIPAF が開かれるとのこと。また、今回のフェスティバルの記録ビデオ(VHS120分)が個人7500円、美術館、図書館等一般閲覧をする機関12500 円で販売されています。購入、問い合わせは下記まで。
NIPAF 連絡先:〒167 東京都杉並区西荻北1-2-6-210 Tel./Fax. 03-3395-7962 または〒380 長野市中御所2-8-15 Tel./Fax. 026-224-0748
◆次回ミーティングのお知らせ
昨年の11月以来、これからのFIU活動の進め方について話し合ってきました。次回の会合では、また新しい考え、企画案などがあれば出していただいた上で、一度これまでに話し合われた事柄を整理し、まとめておきたいと思います。また、次回からの会合の進め方、広報のあり方、運営上の仕事の分担等についても話し合いたいと思います。日時、会場は、下記の通り。この間いただいた手紙、ファクシミリ等、会合の席で読んでいます。参考になり、また励みにもなっています。今後ともよろしく送付ください。
日時:3月31日(日)午後6時30分~9時30分
会場:神宮前区民会館和室1・2号(渋谷区神宮前6-10-14Tel.03-3409-4565 )
会費:500 ~1000円程度
問い合わせ:守谷(Tel./Fax.03-3395-6175 )
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