ヨーゼフ・ボイス・ゼミナール―芸術概念の拡大のために


「...別の芸術概念がつくられなければなりません。それは誰にも関わり、ただ芸術家の問題だというだけではありません。そうではなく人間学的にのみ明らかになるものなのです。つまり、人間が何かを形成することができる、社会的な熱彫刻と呼ばれるものを未来に形成することができるという意味で、各々の人間は芸術家なのです。」(ヨーゼフ・ボイス)
脂肪やフェルトといった独特の素材による彫刻、フルクサスへの参加を契機としてはじめられたアクションの数々、デュッセルドルフ国立芸術アカデミーでの教育活動、自由国際大学(FIU)の設立、数多の講演、対話集会、緑の党への参加など、ヨーゼフ・ボイス(1921-1986)の活動は近代につくられた芸術の枠組みを超えて広範囲に及んだが、その根底には「拡大された芸術概念」の働きが存在した。ボイス自身がその活動の中で深め、「社会彫刻」として実践したひとつの芸術概念に人は何を呼び起こされるというのだろうか。講師に迎えるヨハネス・シュトュットゲン氏は、デュッセルドルフ国立芸術アカデミーのヨーゼフ・ボイスのもとに学び、すでにその当時から「ドイツ学生党」、「フルクサス・ゾーン・ウェスト」、「国民投票による直接民主主義のための組織」などでボイスと活動をともにし、後には「自由国際大学」の事務局長を務めたボイスを最もよく知る人物のひとりである。作品の具体的な解釈、これまで日本ではあまり紹介されてこなかったボイスの教育活動の実際、さらには「社会彫刻」についての話を通して、「拡大された芸術概念」とはいったい何なのかともに考えていきたい。
●日時・プログラム=1997年3月21日(金)18:30「熱の彫刻」
 3月22日(土)18:30「芸術としての教育」
 3月23日(日)18:30「社会彫刻」 ※23日(日)15:00から質疑応答の時間あり。
 (各日とも独日通訳付き)
●会場=東京ドイツ文化センター2階207号室(港区赤坂7-5-56ドイツ文化会館内)
●講師=ヨハネス・シュトュットゲン
●参加費=各日1,500円(要申し込み、23日(日)15:00からの質疑応答の時間は参加無料)
●主催=FIU Japan(自由国際大学)
●協力=東京ドイツ文化センター
●申し込み・問い合わせ=FIU Japan(自由国際大学) 160 新宿区四谷4-30 酒井ビル503大榎方 Tel/Fax: (03)3350-6126 oenoki@st.rim.or.jp

ヨハネス・シュトュットゲン略歴
1945年 フライヴァルダウ生まれ
1966-71年 デュッセルドルフ国立芸術アカデミーのボイスのもとで学ぶ
1967年 ドイツ学生党
1968年 フルクサス・ゾーン・ウェスト
1970年 国民投票による直接民主主義のための組織
1971年 マイスター・シューラー
1971年-80年 ゲルゼンキルヒェンにて芸術教育に従事
1977年 自由国際大学(FIU)
1979年 緑の党
1980-86年 デュッセルドルフ国立芸術アカデミーのボイス・アトリエの指導・管理。FIU事務局長
1987年 ダルムシュタット、ボイス・ブロック救済のためのイニシアティヴ。直接民主主義のためのバス。アクション東と西
1990年以降 木の十字架
1977年以降 全紐帯
デュッセルドルフ・オーバーカッセル在住

著書:『シミリア・シミリブス-ヨーゼフ・ボイス60歳記念論集』(ヨハネス・シュトュットゲン編、ケルン、1981年)、『自由国際大学-社会彫刻のための拡大された芸術概念の機関』(デュッセルドルフ/ヴァンゲン、1984/87年)、『ヨーゼフ・ボイスとそれぞれの人間...について』(デュッセルドルフ/ヴァンゲン、1985年)、「ヨーゼフ・ボイスによる彫刻『7000本のオーク』」(F.グレーナー、R.M.カントラー編、『7000本のオーク-ヨーゼフ・ボイス』ケルン、1987年)、『時の淀み―ヨーゼフ・ボイスの拡大された芸術概念の力の場の中で』(シュトゥットガルト、1988年)、『アクション東と西-ドイツでの直接民主主義のためのバス』(ヴァンゲン、1991年)、「芸術としてのヨーゼフ・ボイスの教育活動」「ヨーゼフ・ボイスにおける資本概念」(フォルカー・ハルラン、ディーター・ケップリンほか編『ヨーゼフ・ボイス会議、バーゼル、19991年5月1日-4日』バーゼル、1991年)、『イミ・クネーベルのくさび付き画枠』(1991年)など。

アプタイベルク・メンヒェングラートバッハ市立美術館、シャッハハウゼン現代芸術舘、ミュンヘン・レンバッハハウス内市立ギャラリーほか、ドイツ内外の美術館、ギャラリー、大学等での講演多数。



FIU Japan Meeting
Gespräch mit Johannes Stüttgen
Über die Möglichkeit der Sozialen Plastik
FIU Japan ミーティング
ヨハネス・シュトュットゲンとの対話
社会彫刻の可能性について


シュトュットゲン氏との対話を通して、今後の社会彫刻の可能性を探っていきたいと思います。シュトュットゲン氏には国民投票による直接民主主義の運動など彼自身の活動を含め、現在の自由国際大学(FIU)の活動について話していただく予定ですが、講義のようにただ一方的に彼が話すのではなく、私たちの側からも自由に発言し、それを通してひとつの対話の場、「熱」の場をつくっていくことが大切だと考えています。関心のある方はぜひご参加ください。
●日時=1997年3月24日(月)19:00-21:30
●会場=北沢タウンホール第1集会室
(下北沢駅南口徒歩5分 Tel: (03)5478-8006)
●出席者=ヨハネス・シュトュットゲン、針生一郎ほか(独日通訳付き)
●参加費=1,000円
●主催・問い合わせ=FIU Japan(自由国際大学) 160 新宿区四谷4-30 酒井ビル503 大榎方  Tel/Fax: (03)3350-6126 oenoki@st.rim.or.jp



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